今回は自分自身が実践した内容も含めてエビデンスレベルが高い、集中して取り組むために必要な生活について紹介します。受験生や、やるべきことをできるようにしたい人、学習やタスクの集中力生産性を上げたい人、睡眠の質を上げたい人、行動を起こしたい大学生は是非最後まで読んで行動に移していきましょう!!!
1.睡眠の効果
生活において必ず必要な睡眠ですが、この睡眠が覚醒時のパフォーマンスを決定します。睡眠は覚醒時の集中力、注意力、感情の安定性をリセットすることができます。
よって、この睡眠の質を上げることがハイクオリティの生活において前提条件となります。そしてこの睡眠の質と覚醒時の注意力を支配する2つの要因がアデノシンとサーカディアン(概日)リズムです。
1.1 アデノシンとは
まず、アデノシンは体内の化学物質で覚醒時間が長い程蓄積されていきます。8~10時間ほどの長い睡眠や深い睡眠をとることでこのアデノシンのレベルは低下します。そしてこのアデノシンは、一種の睡眠欲や睡眠時の空腹感を引き起こす物質です。要約すると、アデノシンが起床後時間経過とともに蓄積される増加することで、夜の寝る時間に眠気が現れ、睡眠によって放出していくと言うことです。
コーヒーなどからカフェインを摂取すると眠気が無くなると言うことが一般的に知られていますが、これはカフェインが体内のアデノシン受容体に結合することで、アデノシンと拮抗する物質になるためです。
1.2 サーカディアン(概日)リズムとは
サーカディアンリズムは体内時計のリズムです。通常、1日中眠りたい状態になく、寝た後はすっきりとした気分になります。これは1日の中で、睡眠と眠気の期間が通常は1ブロックに凝縮されていてるためです。
このように、24時間の1周期の中でどのタイミングでどのような生理現象を起こすかはサーカディアンリズムによって決定されます。時差ぼけや徹夜明けに調子が狂ったり、注意力、集中力、モチベーションの低下などがおこるのはこのサーカディアンリズムの乱れによるものになります。
2.起床後の体内システム
朝起きるとコルチゾールというホルモンが副腎から放出されます。(このときアドレナリンやエピネフリンの放出もあり目が覚めていると感じます。)このコルチゾールの上昇パルスを朝の早い段階に1度に発生させることが最重要であり全てのことに影響します。
しかし、外的要因のストレスなどがあまりに深刻である場合には、このコルチゾールが1日を通して放出され続けることになります。なぜならこのコルチゾールは抗ストレスホルモンであり、充分なストレスを受け続けている場合は常に放出されるためです。
このため健康的な状態と言えるのは1日の早い段階でコルチゾールを上昇させることです。これがしっかりと行えれば、注意力が高まり、モチベーション上昇、やるべきことに挑みたいと言ったように感じることができるようになります。
2.1 コルチゾールのサーカディアンリズムへの作用
さて、それではなぜこれほど朝の早い段階でのコルチゾールの上昇が重要であるか、それはこのコルチゾールの上昇こそがサーカディアンリズムのタイマーのスタートのトリガーとなるからです。このトリガーの後12~14時間程の時間にメラトニンと言う物質が脳の松果体から体に向けて放出されます。このメラトニンはコルチゾールと反する物質であり、日中は低レベルであり、睡眠を行う時間に高くなります。但し、メラトニンに睡眠維持の効果はありません。
つまり、朝の早い段階でコルチゾールの上昇を1度に行うことが重要で、これが別の時間に再度起こるとその時間からサーカディアンリズムのタイマーはスタートされてしまします。要はコルチゾールとメラトニンの上昇のタイミングを適切な時間に発生させることが大切です。
2.2 サーカディアンリズムのトリガー
ではその朝早い段階にコルチゾールの上昇を1度に起こす方法は何でしょうか。前述した睡眠と眠気のブロックが24時間のどのタイミングに入るかは様々な要因によって支配されています。その中でも最も強力な支配者は光です。特に太陽光線となります。
目の中には網膜神経節細胞というニューロンのセットが存在しています。これは、太陽光線の特に日の出から約1~2時間くらい角度でのの太陽光線を認識し、体内の時計に1日の始まりを知らせるシグナルを送りコルチゾールの上昇を促します。これによってサーカディアンリズムのスタートが行われるということです。
3. 睡眠の質を上げるために
ここまでの情報を元に睡眠の質を上げるために何をすべきか、何をしてはいけないかを整理します。
3.1 朝起きたら外に出て散歩
まず朝起きたら太陽の光を間接的に目に取り入れ、コルチゾールの上昇を促すことが重要です。10分以内の散歩でもサーカディアンリズムのスタートシグナルは送られます。外に出ることで室内で浴びるよりも散乱光子も多いので効果的です。また、天気の良くない日でも効果を得ることができます。つまり曇り雨だから散歩はしないは無しです。
3.2 日没後に強い光を浴びない
強い光やコルチゾールパルスを起こすような白や青色の波長を出す光は日没後にコルチゾールパルスを発生させ、サーカディアンリズムを崩してしまうことがあります。ただ真っ暗な中での生活は無理があるのは承知です。炎の色のようなオレンジ、赤色の波長の光は目のコルチゾールパルスを引き起こすニューロンが感知できないので問題ないです。またそのニューロンは目の構造的な要因で視線の比較的上方からの光を感知しやすいため、間接照明や床に近い位置に光源を置くことをお勧めします。私は実際にLED暖色テープを部屋に施工し、夜間の特に就寝1~2時間前にはこの光源のみで過ごしています。
このテープは光度調節ダイヤルもついててかなり使いやすいためおススメです。また、1年以上使用していますが耐久性も全く問題ありません。
3.3 午後の時間に運動
これは当たり前のことにはなりますが、体が疲れているとぐっすり寝れるという経験が万人にあると思います。特に午前は集中するタスクに向いていて午後は体を動かすことに向く時間になるため、夕方や日没後に筋トレやジョギングなどをすると良いです。気を付けなければならないのは、運動は交感神経が優位になるため就寝3時間前以降はNGです。私の場合、強制的に睡眠を重要視することもできる筋トレが日課になっています。その理由はこちらの以前の記事で紹介しています。
3.4 瞑想を習慣にする
瞑想は様々な方法などが紹介されたりしていますが、目的としては心と体を落ち着かせることにあります。それだけ言われても意味を感じられないという人が大半だと思います。自分もそうでした。しかし、続けてやってみるとリラックスを簡単に導けたり、メンタルヘルスの面での効果を感じることができます。朝か寝る前に行いそのまま寝るのもありです。
方法としては呼吸に集中したり、ボディスキャンを行うのがおススメです。とにかく1つのことに集中して雑念を排除しましょう。慣れない方はこちらのガイド瞑想から始めるのもありだと思います。
3.5 睡眠の質を測る・評価する
ここまで得た知識を実践しても睡眠に対して体感の定性的な評価しかできません。そのため睡眠の改善や対策のフィードバックを行いずらいです、そこで数字で定量的に評価するためにウェアラブルデバイスの利用をおススメします。睡眠のトラッキング機能を備えたスマートウオッチなどでは睡眠時間はもちろんのこと、深い睡眠やレム睡眠などの時間や割合まで数字で評価できます。自分は実際にこの商品を使っています。
このスマートウオッチは比較的コスパが良く、睡眠の質を測るという点でも十分な機能を備えています。ストレスや運動評価も可能で生活のクオリティーの向上の面では非常に良い評価者となっています。
3.7 起床90分以内にカフェイン摂取をしない
これはあまり周知されていませんが、コーヒーのようなカフェインは起床から90分以内に摂取しないほうが良いです。起床後すぐのカフェインの摂取はコルチゾールの上昇を緩和してしまう効果があり、またコルチゾールの上昇と合わさって脳への急激な刺激となり頭痛や焦燥感、疲労が抜けないなどといった症状が出やすくなります。